治療法
【手術】
前立腺を切除する手術
薬やほかの方法で前立腺肥大症の症状が改善されない場合には、根本的に治すために、手術が適用になります。手術では、肥大した前立腺の一部を切除したり、重度の場合は前立腺結節をすべて摘出したりすることがあります。以前は開腹手術が主流でしたが、この方法は患者の負担も大きいので、現在は、負担の少ない内視鏡やレーザー光線を使った低侵襲手術が多くなってきています。低侵襲手術は、からだの外からメスを入れるという方法ではない手術の総称です。
低侵襲手術
現在は開腹手術はほとんど行われず、ほとんどが低侵襲手術です。まずは低侵襲手術の代表的な方法をご紹介します。
| 方法 | 内容 |
| 経尿道的前立腺切除術(TURP) | 前立腺肥大症の患者は、高齢者や合併症を伴う方が多いため、開放手術より危険性や痛みなどが少ない経尿道的前立腺切除術(以下TUR-P)が主流です。手術時間は1時間~2時間程度、入院期間は2日~1週間です。 腰椎麻酔や硬膜外麻酔下で尿道より内視鏡を挿入し、電気メスを内視鏡の先端から出して前立腺の肥大している部分を切除します。切除と同時にその部分を焼き固めることができるので、出血も少なくてすみます。手術の間は水を流し続けて切除した前立腺片を膀胱側に流し、切除が終了したら取り除きます。切除した部分を保護するため、膀胱内にはバルーンカテーテルを留置します。カテーテルを取り除くのは、術後1~5日後です。出血が再びあればカテーテルを再度留置することもあります。 手術後に起こりうる合併症、後遺症としては、尿路感染による発熱や排尿痛、手術部の出血、尿失禁、尿道が狭くなる、精液が膀胱へ逆流する、低ナトリウム血症などがあります。 |
| 経尿道的前立腺切開術(TUIP) | これは前立腺内にある尿道を流れる尿がスムーズに流れるように、膀胱頸部や前立腺を最小限切除して尿道を広げるための手術です。尿の流れがよくなれば、前立腺肥大症の症状が改善されます。また、手術後の射精障害が発生する確率が低くなります。TUIPの対象は、比較的肥大が小さな前立腺の男性や膀胱頸部硬化症の人になります。手術は入院の必要なく、外来で行うことができます。 |
| レーザー光線 | レーザー光線の照射で患部を蒸散させ、肥大した部分を取り除く方法です。この方法は、出血量を少なく抑えることができるというメリットがあるものの、治療効果という点ではややTRUPに劣るといわれています。症状の改善までは1~3か月程度時間を要するといわれています。 なお、レーザー治療として代表的な方法としては「HoLAP」と「HoLEP」という方法があります。HoLAPは、TURPと似たような方法で、レーザーを使う手術です。肥大した前立腺を上から少しずつ蒸散しておきます。いっぽう、HoLEPは、開腹手術のようにまるまる前立腺を切除する方法になります。患者の負担も少なく、入院期間も少なくてすみます。ただ、高度な技術であるためそれほど普及はしていないようです。 |
開腹手術
開腹手術をすると、再発のおそれがなくなり、排尿困難などの症状が確実に解消されやすいといわれています。開腹手術が適応となるのは、前立腺の肥大がかなり進行していて、重さが120g以上ほどのになっている場合です。このような場合には、低侵襲手術では手術に時間がかかり、合併症の危険が増すため、開腹手術が行われます。開腹手術には、以下のような方法があります。
| 方法 | 内容 |
| 恥骨下式 | 恥骨のすぐ上を切り、前立腺に達するように切開する方法です。カテーテル留置期間が短くてすみ、出血も少ないので最も多く行われている方法です。 |
| 会陰式 | 肛門と陰嚢の間を切開する方法です。傷痕がわかりにくく、開く部分も小さくてすみますが、技術的に難しく、現在ではあまり行われていません。 |
| 恥骨上式 | 下腹部を切り、膀胱を開いて前立腺を取り除く方法です。尿意が強くなる症状が残りやすく、カテーテルを長期間入れておく必要があるので、最近ではあまり行われません。 |
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